京成グループ再編~1月の動き~

研究・解説記事

いよいよ統合まで秒読みとなった京成グループ。1月にあった動きを記します。

社名ロゴの削除

東京ベイシティ交通ほか各社で、社名ロゴの削除が始まりました。上の写真は、左が社名ロゴ削除済の車両、右はまだ残っている車両です。車体側面の中央部に配置された赤色の「東京ベイシティバス」が白塗りされ、代わりに側面最後部の下にテープの上から「東京ベイシティ交通」と小さく表記されています。

この社名表記は、道路運送法第九十五条に基づくもので、以下に条文を示します。

自動車(軽自動車たる自家用自動車、乗車定員十人以下の乗用の自家用自動車、特殊自動車たる自家用自動車その他国土交通省令で定めるものを除く。)を使用する者は、その自動車の外側に、使用者の氏名、名称又は記号その他の国土交通省令で定める事項を見やすいように表示しなければならない。

この社名表記を4月1日に即座に各統合先の社名に変更するため、テープの下には既に統合先の社名が準備されているものと推測します。それでは、この社名ロゴ削除の意味、またここから分かることについて考察していきます。

1.塗装変更は当分先orされない?

そもそも統合により塗装を変更するのであれば、再塗装により社名ロゴも無くなりますから事前に消す必要も無いはずです。このタイミングでロゴを消すということは、統合と同時にすぐに塗装を変更するわけではないと考えます。

そのため、4月になっても当分は元の各社の塗装を見ることが出来る可能性が高いと思われます。但し、社名のロゴが無いと物足りない印象を持つのは間違いないでしょう。

2.除籍される車両が分かる?

各社ロゴが削除されていますが、一部ロゴが削除されず原型を維持している車両が見受けられます。東京ベイシティ交通もPJ-代にそのような車両が見られました。これらの車両は経年車であることから、統合を待たず除籍される可能性があります。

3.転属の可能性も?

統合されることにより、従来別会社だった会社同士の転属が行われる可能性もあります。

現在の疑問点

今後塗装はどうなるのか

先述の通り、当面は現在の塗装が維持されると思われますが、統合後に塗装が統一される可能性はあるのでしょうか。「京成バス」の名を冠する以上、京成バスの標準塗装が採用されるかもしれませんし、全く新しいイメージカラーが登場する可能性も考えられます。

また、コストを重視し、最も保有台数の多い事業者の塗装に統一する可能性や、塗装を変更せず現状を維持する可能性もあります。実際、関西の阪神バスでは、尼崎市営バスから車両や路線を引き継いだ際に、車両の塗装を変更せずに運行を継続しました。

一方で、転属によって異なる地域の塗装をそのまま使用する(例:東京ベイシティ交通の車両を千葉内陸バスへ転属させ、塗装を変更しない)ケースには違和感が生じるかもしれません。しかし、今回のように走行地域が変わらず、運行会社のみが変更される場合、あえて塗装を維持することで、従来からの利用者にとって親しみやすいデザインを保つという利点もあるでしょう。

また、営業エリアが重複する東京ベイシティ交通と京成トランジットバスのような場合、誤乗を防ぐ意味でも敢えて塗装を統合しないメリットもあります。

今後の新車の仕様は?

統合後の新車の仕様についても注目しています。現在は、各社ごとに運行環境に適した仕様が採用されています。例えば、東京ベイシティ交通では、収容力を重視した長尺ワイドドア車が導入されています。

しかし、統合に伴い、導入コストの削減や車両運用の柔軟性向上を目的として、可能な範囲で仕様を統一し、一括導入する可能性も考えられます。特に、部品の共通化や整備の効率化といったメリットが期待できます。

また、塗装に関しても、共通カラーを導入しない場合、各社のカラーリングを維持するのか、それとも新たなデザインを採用するのかが注目されるポイントとなるでしょう。

まとめ

京成グループの統合を前に、各社で社名ロゴの削除が進められています。この措置は、統合後に速やかに新しい社名へ変更する準備と考えられ、塗装の即時変更は行われない可能性が高いことを示唆しています。

また、一部の経年車両にロゴ削除が行われていないことから、統合を待たずに除籍される可能性があることや、統合後の転属の動きにも注目が集まります。

今後の塗装方針については、京成バス標準塗装の採用、新たなデザインの導入、または現行塗装の維持など、さまざまな可能性が考えられます。さらに、新車の仕様についても、各社独自の仕様を維持するのか、統合によるコスト削減を目的とした共通仕様にするのか、動向が注目されます。

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